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「寄付のデザインでサステナブルな社会をつくる」オンラインワークショップ

Date: 2021.11.08 MON

  • #初学者

  • #ソーシャル

2021年8月4日、GGPの連携パートナーである社会デザイン・ビジネスラボ(運営:株式会社JSOL)と共催で、オンラインワークショップを実施しました。今回のテーマは『寄付のデザイン~サステナブルな寄付をつくろう~』。本イベントは6/30に開催した「寄付のデザイン ~ 寄付から生まれるサステナブルな社会とは?」に続く、具体的なアクションを生み出すために、寄付をしたい人、寄付を受け取る人、社会・課題解決に関わりたい人など、さまざまな立場の人たちが交わりながら、サステナブルな寄付の仕組みづくりに挑戦しました。

オリエンテーション

 ・趣旨説明
 ・関連イベントの振り返り
 ・ワークショップの進め方説明

ワークショップ

 ・チーム組成、ビジネスアイデア出し
 ・グループディスカッション

アイデア共有

 ・アイデア共有
 ・質疑応答
 ・意見交換

クロージング

 ・総評

まずはオリエンテーションとして、社会デザイン・ビジネスラボの会長であり、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科 教授、社会デザイン研究所 所長の中村 陽一氏から、ご挨拶をいただきました。

「近年、SDGsやESG投資の話に関心が高まっています。サステナブルな社会を支える大事な基盤のひとつとして、『お金の流れ』が挙げられます。長年、『寄付文化が薄い』と言われてきた日本ですが、明確にテーマを持ち、お金の流れをガラス張りにする仕組みづくりをすることで、寄付が集まり循環していくという結果が徐々に現れてきています。この機運を、いかにスピード感を持って、高めていけるのか——。今日のワークショップから生まれたアイデアが、今後の日本における広い意味での市民社会形成につながっていくと期待しています」。

実際のワークショップでは、学生や、参加者が4つのチームに分かれ、ホワイトボードツール「Miro」を活用しながら、1時間強にわたって議論を重ねました。

次に、ワークショップ後に行った、各チームによる発表の内容を抜粋してご紹介していきます。

障害者支援や災害の義援金など、仕事で寄付に携わっているメンバーがいたチーム1では、“寄付をしたくなる動機”に着目。「寄付のハードルを下げるために、電子マネーのおつりを寄付すると寄付額に応じてお城が建つようなゲーミフィケーションを活用した仕組みがあるといいのではないか」というアイデアを提案しました。

また、他にも「親子で参加する寄付教育」や「金銭以外の経験やスキルを提供するプロボノ」、「趣味の延長線上で寄付ができる仕掛け」など、寄付を身近に感じられるような工夫について、議論が盛り上がりました。

寄付したお金がどう使われたのかが見えないと、寄付するモチベーションにつながらないことから、「寄付金の使途の見える化」について議論したチーム2。「ソーシャルインパクトを生み出すためにも、継続的なモニタリングが必要である」という意見や、「寄付の効果を見える化する共通指標をつくるべきではないか」という意見が挙がりました。

そして「寄付体験の価値向上」および「寄付に対する共感性の強化」に話題は移り、「VRやリモートアクセスツールを活用して、寄付によって生まれた効果をリアルに体験できる仕組みをつくる」ほか、「寄付者がその寄付先を選んだ理由を表明できるプラットフォームをつくる」といったアイデアが出てきました。

チーム3では、すでに多様な寄付の仕組みが存在するものの、一般の人にまで伝わっていないことが課題であると気づき、「重要なのは広報活動である」という結論に達しました。

そこで広報活動を強化するための具体的なアイデアとして、「寄付者が集うコミュニティ(もしくはオンラインサロン)の形成」を発案。コミュニティ内で寄付後の状況を共有することで、寄付先の課題を自分ごと化できるとともに、継続した寄付も見込めるとの考えからでたアイディアです。

さらに、企業の担当者として参加していたメンバーからは、「このコミュニティは、顧客のブランドスイッチを防ぎたい企業にとっても、メリットがある」という意見が挙がりました。コミュニティの参加者数や購入額に応じて企業からの寄付額を増やすことで、ブランドのファンを増やすと同時に、企業と顧客との長期的な関係構築が期待できるのでは、と仮説を立てました。

チーム4のメンバーが寄付の“とっつきにくさ”や“わかりにくさ”を解消すべく、「買い物など日常の行動に応じて付与されたポイントを、自動で寄付できる仕組みがいいのではないか」という発想から辿り着いたアイデアが、「デポジット機能付き目標管理アプリ」です。

このアプリでは、寄付者が自ら「今月は体重を1kg減らす」といった目標を立て、それと同時に1,000円をチャージします。もし目標を達成できたら、1ヶ月後に1,000円が手元に戻って使えるようになりますが、逆に目標を達成できなければ、その1,000円は自動的に寄付される、という仕組み。

「人によっては未達のペナルティで寄付するよりも、達成したインセンティブとして寄付したい人もいると思うので、そこは寄付者が選べるようにするといい」との意見もありました。

参加者の寄付に対する課題感や思いを起点にしながら、寄付の具体的なアクションアイディアが生まれた本イベント。各チームからの発表をうけ、中村氏は総括として次の通りイベントを締めくくりました。

「それぞれに寄付を取り巻く現在の状況をうまく捉えた意見が出ていたので、さらに知見や経験を加えて伸ばしていけば、何かおもしろいものになると感じました。企業人も含めた広い意味での市民から出てくるアイデアが社会を動かしていく時代に入っていると思いますので、これからも推進エンジンとして発展につなげてもらえるとうれしいです」。

GGPでは、環境・社会課題解決のアクションの起点となる多様な人々の共創の場を継続的に企画していきます。環境・社会課題解決ワークショップの共催のご要望がある自治体の方、ならびにGGPへのパートナー参画にご関心のある企業の方は、三井住友銀行の担当営業 または GGP事務局(ggpartners_info@ea.smbc.co.jp)までご連絡ください。

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