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「デジタル技術を活用した新たなコミュニティをつくる」オンラインワークショップ

Date: 2021.12.13 MON

  • #ソーシャル

  • #新規事業

2021年9月2日、GGPの連携パートナーである社会デザイン・ビジネスラボ(運営:株式会社JSOL)と共催で、オンラインワークショップを実施しました。今回のテーマは『人のつながりを可視化するーデジタル技術を活用した新たなコミュニティをつくろうー』。本イベントは7月15日に開催した「つながりを見せるブロックチェーンが拓く可能性とは? “サステナビリティ×コミュニティ”シリーズーvol.2」に続き、デジタル技術を活用し、社会課題をどのように解決できるのかを参加者の皆さんと挑戦しました。

オリエンテーション

 ・趣旨説明
 ・関連イベントの振り返り
 ・ワークショップの進め方説明

ワークショップ

 ・チーム組成、ビジネスアイデア出し
 ・グループディスカッション

アイデア共有

 ・アイデア共有
 ・質疑応答
 ・意見交換

クロージング

 ・総評

社会デザイン・ビジネスラボの会長で、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科 教授、社会デザイン研究所 所長の中村 陽一氏は「データを活用し可視化していく流れは、これからの分散的なデジタル主義を考えても、デジタルの可能性を社会的な課題解決に結びつけていく必須の作業です」とデータ活用の可能性を示唆。

今回のワークショップの参加者には「イノベーティブな土壌をどう組織の中にどう展開するか」「会社全体の見える化をしたい」など、組織活性化について課題感を持っている方や「福祉社会課題におけるデジタルの活用」「地方創生においてDX化でつながりを作りたい」などの具体的な社会課題に対してデジタルの活用を考えている方などが参加しました。

実際のワークショップでは、11名の参加者が4つのチームに分かれ、オンラインホワイトボードツール「Miro」を活用しながら、1時間強にわたって議論を重ねていきます。それぞれのチームで議論された内容についてご紹介していきます。

チーム1は「個人のソーシャルグッドな活動をデータによって見える化し、そのデータを活用できないか?」という問いから、選挙スコアにデータを活用できるのではないか、という議論に発展しました。選挙の投票で候補者を選ぶ際に、提示されている情報だけで投票してよいのか判断しづらい場合、ソーシャルグッドな行動をスコアリングしておくことで、投票の後押しになるのではと考えました。さらに、普段の行動スコアリングがあるとその人の「人となり」がわかり、候補者と有権者に接点ができコミュニケーションが生まれるのではないかという意見が上がりました。

また、他にも同じ趣味を持つ人同士がつながることで、趣味の関係人口を可視化し活動を活性化するアイデアや、サーキュラーエコノミーの価値浸透などにデータが活用できるのでは、とたくさんのアイデアが生まれ、議論が盛り上がりました。

「地域ごとのコミュニティ(ご近所付き合い)や自治体の活動の見える化(近隣とのつながり)」からアイデアを展開したチーム2。古き日本では行われていた「縁側でのコミュニケーション」が現代の日本には存在しないという課題感が議論の起点になりました。

そこから生まれたアイデアが「地域にリサイクルステーションを設置する」というもの。単なる集会所ではなく、「リサイクル」という同じ目的に取り組みながら、地域の人同士がつながれる場をつくる提案です。さらには、各地域のゴミのリサイクル状況をポイント制で可視化することにで、リサイクルに取り組むモチベーションへとつなげていく狙いもあります。

こうしたアイデアのほか、「自分のスキル(できること)の見える化」や「金銭的に余裕のある方と、金銭的に困っている母子家庭・若者をつなぐサービス」など、地域内での人・スキルのシェアしていくアイデアが検討されました。

ご近所関係が希薄になっている現代社会のなかで、子どもの見守りや、地域活動に参加したい人のためのアイデアを考えたチーム3。

地域や子供のために行動をしたくても、「知らない人」というだけで不審がられてしまったり、警戒心を持たれてしまう、ということを残念に感じていた参加者の意見が発端となり、地域の中でその人の信頼性を保証する仕組みについて考えていきました。

そこで「近所に暮らす個人」の信頼スコアが可視化されることによって、安心感も高まり、地域の暮らしやすさにも良い影響を及ぼすのではないか。さらには、地域の大人たちが積極的に地域活動に参加していくことで、地域の子どもたちが普段接する機会の少ない「親や先生以外の大人」との斜めのつながりができ、子どもたちの成長にもよい影響を及ぼすのではという意見が上がりました。

「ビッグデータからの自動化サービス」「文化的背景を認め合うコミュニティ形成」「ビジネスマッチング」などの幅広いアイデアが出たチーム4。特に議論が盛り上がったのは「信用のポイント化」についてです。

毎日の犬の散歩のついでに道端に不法投棄されているものがないかをパトロールするように、日常で行なっている行動にプラスで行う「ちょっとしたいいこと」をポイント化できないか、というアイデア。そうした日常レベルの「ちょっとしたいいこと」を信用ポイントとして変換することで、積み上がっていったポイントを地域通貨に利用。日頃の「ちょっとしたいいこと」が、地域経済にも還元されていく循環の仕組みを提案してくれました。

一方で、「社会的な信頼をポイントで貯める」ということが当たり前になってしまうと、ポイントが貯まっていない人への反感も生まれてしまうのではないか、という懸念も議論の中で挙がりました。


人と人とのつながりをテーマに、参加者自身の課題感や思いを起点にしながら、ユニークなアクションアイデアを考えていった本イベント。参加者が感じている課題の中には、地域コミュニティの中のコミュニケーション不足に言及する発言が多く見受けられました。

各チームからの発表をうけてGGP事務局木村智行は「コミュニティの必要性をわかっている人とそうでない人との間で断絶がある」と語ります。

「コミュニティを必要としない住民の方とどう交わっていくか、地縁のコミュニティとインターネットを通じたオンラインコミュニティがいかに交わっていくか、に難しさを感じています。断絶をいかに解消していくかが、今後の重要な課題であると再認識しました」

デジタル技術によって、そうした断絶がなくなり、コミュニティの中でのつながりが生まれることへの期待感を語り、イベントを締め括りました。


GGPでは、今後もコミュニティをテーマに環境・社会課題解決のアクションの起点となる多様な人々の共創の場を継続的に企画していきます。環境・社会課題解決ワークショップの共催のご要望がある組織・団体やGGPへのパートナー参画にご関心のある企業の方は、まずはイベントから気軽にご参加ください。

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