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少子化に向き合う社会デザイン会議2025プロジェクト・レビュー04

Date: 2026.05.14 THU

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GGP2025年度、さまざまなパートナーとともに社会課題の解決に向けたアクションを起こす「GGP共創プロジェクトを立ち上げました。
その1つが「少子化に向き合う社会デザイン会議」です。GGP事務局が主催し、伴走支援のロフトワークと共に2025、少子化の問題に独自のアプローチで挑むプロジェクトをスタートさせました。
1社だけでは解決できない少子化という大きな課題解決に賛同する企業や団体がだんだんと増え、20263月時点で全17の企業や団体が参加するプロジェクトへと成長しました。

1年間のプロジェクトの前半は、少子化の実情やその要因を調査・分析し、課題解決のために変化を促す効果的な介入点を抽出しましたリサーチ編レポート)
後半では、調査で得たインサイトを検証する実証実験を行いました(実証実験編レポート)。
そして、このプロジェクトとして向かっていきたいと考える未来像を4つの風景として描き出しました(ビジョン編レポート)。

本プロジェクトの2025年度の活動にて作成した3本のレポートは、以下のリンクからご覧いただけます。

GGP共創プロジェクト「少子化に向き合う社会デザイン会議」では、プロジェクト・レビュー01で紹介したように6つの少子化要因と9つの効果的な介入点を探りました。そして、そこで得た仮説を確かめるため、プロジェクトの後半では実証実験に挑みました。

まず、介入点「子育てのポジティブな面を若者に届ける」にテーマを絞り込み、少子化をもたらす要因の深層にある世代間の分断、SNSなどから一方的に発信される「子育ては大変」というネガティブなイメージを払拭するため、次のような問いを設定しました。

「若い世代が子どもや親と接することで、『子ども』や『子育て』に対する認識に影響を与えられるか」

それを検証するために私たちに何ができるのか——。場所や人的リソースなどの制約条件を整理した上で、多世代が交流できる場を設定することとし、その舞台として「働く場」を設定しました。職住分離が一般的な現代社会では、「働く場」と「子育ての場」が世代や属性によって分断されています。働く場で、子連れの親子と若者などの多世代間交流が生まれれば、何か意識の変容につながるのではないか——。そのような期待を込めて、2つのパターンを設定し、実証実験を行いました。

パターンAは、年齢層も職種も多様な人々が行き交うオープンな共創空間で行うものです。
東京・渋谷区の中心地にあるコワーキングスペースのSHIBUYA QWS(キューズ)で、Open day with Baby@ SHIBUYA QWSと名付けて実施しました。参加企業の中から、赤ちゃん本舗がプロジェクトマネージャーの役割を担い、平日と土曜日を含む4日間開催しました。

参加する子どもの対象を0〜6歳の未就学児とし、エントランスからワークスペースに向かう誰もが通るエリアにベビーエリアやキッズエリアなどを設け、働く人と子ども連れの親子が自然と交流できる仕掛けを協力企業と共につくり上げました。
(Open day with Baby@ SHIBUYA QWSの詳細はこちら

Open day with Baby@ SHIBUYA QWSの開催風景 写真:ロフトワーク

パターンBは、クローズドな企業オフィス内で行うもので、プロジェクトマネージャーを務める日立製作所の東京・品川区にあるビル内で実施しました。
Co-sodate, working Dayと名付け、平日の勤務時間内に、グループ内の社員とその46歳の子どもとの交流を図るものでした。

中央に設けたプレイエリアを囲むように仕事用の机や打ち合わせコーナーを配置。この場を訪れるきっかけになるよう、無料でコーヒーを提供し、そのコーヒー豆を子どもたちが挽くことで交流を促すなどの仕掛けをつくりました。
(Co-sodate, working Day詳細はこちら

日立製作所で行われたCo-sodate, working Dayの風景 写真:Studio SETO

出所:プロジェクト・レポート「実証実験編」

2つの実証実験を終えて、「自社でもやってみたい」など、多方面からの反響を頂きました。
実証実験に参加した企業の狙い、実施後のアンケート結果、想定した意識変容が利用者に起こったのか——。そのほか今回の検証を経た知見や空間づくりのメソッドなどを「実証実験編レポート」にまとめています。

プロジェクトの後半では、さらに変化の理論を用いて、効果的な9つの介入点を整理する作業を続けました。このプロジェクトを通じて私たちがイメージしてきた未来の社会像を可視化し、より多くの人に伝えるためのプロセスです。

その結果、以下の4つの領域で変革が起こることを想定し、未来の風景を描きました。

  1. 認知・文化変容 「育てる喜び」が自然に伝わる社会へ
  2. 経済・インフラ 「子どもをもうける・もうけない」が格差にならない社会へ
  3. 多様性・共助  「ひとりで育てない」が当たり前の社会へ
  4. 統治・地方 未来志向による多極分散社会へ

9つの効果的介入点を整理し、4つのビジョンとして整理 出所:プロジェクト・レポート「リサーチ編」

4つの風景は、以下の通り。

風景1 子どもと歩む 「冒険」が人生を彩る 出所:プロジェクト・レポート「ビジョン編」

風景2 新たな「社会OS」が、豊かな暮らしを支える 出所:プロジェクト・レポート「ビジョン編」

風景3 誰も孤立せず、「私的責任」を社会で共有する 出所:プロジェクト・レポート「ビジョン編」

風景4 未来志向によって、地方が持続可能で魅力的な場所に 出所:プロジェクト・レポート「ビジョン編」

このような風景に向かうためには、都市と地方、現在と未来の分断を是正して、未来思考による魅力的な地域づくり、多極分散型社会が不可欠だと私たちは考えています。

GGP共創プロジェクト「少子化に向き合う社会デザイン会議」で行ったリサーチや実証実験、提言をきっかけに、さまざまな取組がつながり、うねりとなって、誰しもがウェルビーイングな社会に向かうために、マインドや仕組みを変えていく一助となれば幸いです。

(文:GGP共創プロジェクト 少子化に向き合う社会デザイン会議)

少子化に向き合う社会デザイン会議
主催:GREEN×GLOBE Partners(運営:株式会社三井住友フィナンシャルグループ)
伴走支援:株式会社ロフトワーク

参加企業一覧(50音順)
・株式会社赤ちゃん本舗(新規事業推進)
・生駒市(子育て健康部こども政策課)
・株式会社OpenHeart
・KODOMOLOGY株式会社
・comodo.
・サイボウズ株式会社(ソーシャルデザインラボ)
・株式会社ズカンドットコム
・株式会社Smart Nurse
・株式会社ピコトン
・株式会社日立製作所(社会協創イノベーション事業統括本部)
・NPO法人放課後NPOアフタースクール
・医療法人社団オレンジ「ほっちのロッヂ」
・株式会社ボーネルンド
・株式会社ママスキー
・認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
・合同会社ラク育
・株式会社Louvy(そだてるはたらくプロジェクト)

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