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サステナ注目トレンドTOP10

Date: 2021.01.22 FRI

  • #グローバル動向

  • #初学者

日本総合研究所 足達英一郎理事に聞く「2020年の10大出来事と2021年の見通し」ウェビナー開催

2020年1222日、「サステナ注目トレンドTOP10」を開催しました。このウェビナーは世界中が持続可能な社会に向けて大きな変革期を迎えた2020年の動向と、2021年の見通しについて、日本総合研究所理事の足達英一郎氏がランキング形式で解説を行うイベントです。ナビゲーターの三井住友フィナンシャルグループ企画部の竹田達哉・サステナビリティ推進室長は、「急増するサステナビリティに関わる情報を正しく認識するために世界の潮流を概観する企画。ニュースの深読みにも活用していただきたい」と、本イベントの意義を語りました。

 アーカイブ 

動画再生時間 約18分

<10位>IBCがESGの主要指標等を公表。IFRS財団が持続可能性基準委員会の独立検討を公表。
<9位>⽶国で AI in the Wild:Sustainability in the Age of Artificial Intelligence が刊⾏。
<8位>中国、2060年までに「カーボンニュートラル」を⽬指す。2035年をめどに新⾞販売の全てを環境対応⾞に。
<7位>TFNDの発⾜。⽶国ウォルマートが修復・再⽣企業を宣⾔。
<6位>欧州「サステナブル・コーポレート・ガバナンス」の法制化始まる。

動画再生時間 約13分

<5位>英国、主要企業を対象に、TCFD提⾔に沿った気候関連情報開⽰を義務化すると公表。

<4位>
Black Lives Matterの運動の広がり。

動画再生時間 約11分

<3位>オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)がサプライチェーン上の⼈権問題を問題提起。⽇本ではNAP策定。

<2位>
7⽉豪⾬災害と2050年ネットゼロエミッション宣⾔。経団連は「。新成⻑戦略」を公表。

動画再生時間 約8分

<1位>Covid19の世界的な拡大。

<2021年に注目すべきトレンド>
気候変動・人権・情報開示

 レポート 

第1位
COVID-19の世界的な拡⼤。世界の感染者7734万⼈、死者170万⼈。

世界を席巻し、日常生活に混乱をもたらしたCOVID-19が、第1位。「米国のパンデミックによる死者数は、第二次世界大戦時に匹敵する」。この衝撃的な事実を20201222日時点のジョンホプキンス大学の統計をもとに示しながら、足達氏は、パンデミックが及ぼす米国での影響の大きさを指摘します。これまでの戦争が価値観を変えてきたように、新たな価値観をもたらすのではないかと示唆します。

出典:Johns Hopkins Univ./COVID-19 Dashboard(2020年12月22日時点)

パンデミックが持続可能な社会のための単なる逆風となることを懸念していたものの、持続可能な社会への変化を加速させるという別の側面があると足達氏はとらえています。たとえば、世論調査結果によると、グローバル機関投資家の多くが今後3年間、ESG投資は追い風で、経済の回復に伴いESG基準の優先度が増大すると予想しているとのこと。医療従事者などへの配慮を示しつつ「COVID-19が、サステナビリティの意識が深まる方向に作用すると信じたい」と、ニューノーマルがもたらすであろう社会の変化に期待を寄せました。

竹田氏は、グローバリゼーションの中で感染が拡大することは「予見できたのではないか」と企業としてリスクに対する先見性が重要だと指摘しました。

第2位
7⽉豪⾬災害と2050年ネットゼロエミッション宣⾔。経団連は「新成⻑戦略」を公表。

2位は、地球温暖化や気候変動に対して、今後ますます企業努力が求められるという内容です。
20207月の熊本県を中心とした豪雨災害に触れながら、足達氏は「気候変動の物理的リスク・被害が顕在化している。もはや『気候変動』ではなく、『気候危機』である」と指摘します。

菅政権が、2050年ネットゼロエミッション宣⾔を掲げたことで、企業も本格的に温室ガス排出の実質ゼロを目指さなければならなくなりました。この状況を「新しいコミュニケーション戦略」と竹田氏は言います。これまでは、ある程度実現できることを見越して政策や施策の決定を行うのが一般的でしたが、先に政策や施策を打ち出し、具体的な実行方法は走りながら考えるという指摘です。つまり、目標を掲げ、そのための行動指針をつくる「バックキャスティングが必要になった」(足達氏)ということです。

経団連が公表した「。新成長戦略」も、経済界の変曲点として取り上げられています。これまでの成長戦略に終止符をうち、新たな成長戦略を掲げることを冒頭の「。」が表明しているとのこと。日本のサステナブルな技術革新やイノベーションを推進していく一方で、「それだけではネットゼロの達成は難しい。社会制度を変えたり、利便性だけを重視せず物質需要を減らしたり、さまざまな知恵を出し工夫していく必要がある」と足達氏は言います。

2021年は、エネルギー基本計画の見直し、COP26に注意深く目を向ける必要がある」と足達氏は、経営計画などを見直すヒントを示しました。

第3位
オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)がサプライチェーン上の⼈権問題を問題提起。⽇本では「ビジネスと人権に関する行動計画(NAP)」を策定。

20203月、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が公開したサプライチェーンの人権問題を提起するレポートを挙げ、人権問題の新たな展開を挙げました。日本企業も含むグローバル企業82社が取り上げられ、人権問題に取り組む難しさが一層増すというのです。

今後は政治的な脈絡での人権侵害についても注視する必要があるとし、2012年に米国で制定されたマグニツキー法を解説します。ロシアの弁護士マグニツキー氏が、国内税務官の不正を告発した後に獄中死した事件をきっかけにできた法律で、重大な人権侵害に関与した国家・団体・個人に対して、自国への渡航禁止、資産の凍結などができるというものです。2020年は欧州でもEU版のマグニツキー法導入が決まりました。

また、日本では10月に「ビジネスと人権に関する行動計画(NAP)」が策定されました。NAPには、外国人技能実習生や子供の権利の保護などサステナビリティに深く関わる事柄が取りあげられています。

足達氏は「人権にかかわる広範な問題が企業活動の中で問われる状況が整った」、竹田氏は「サステナビリティやESGの中で今後人権問題によりフォーカスが当たるだろう」と今後の見通しを述べています。

2021年に注目するトレンドは「気候変動」「人権」「情報開示」

最後に、2021年の潮流を示す3つのキーワードを足達氏に挙げていただきました。
「気候変動」「人権」、そして「情報開示」です。これらの潮流が、企業が目指すサステナビリティとどのような関わりをもつのでしょうか。

第4~10位、2021年のトレンドについて、詳しくはアーカイブ動画をご覧ください。

〇TOP10 関連記事〇

1位 COVID-19関連

2位 気候変動関連

3位・4位 人権関連

5位 TCFD*関連 *Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース

7位 自然資本関連

10位 ESG指標関連

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